忘れられないことば
〜訪問言語療育で出会った、胸に響く「さとうさんに出会えてよかったです」〜
子育てや子どもの言葉の成長で「どう関わったらいいんだろう」と不安を感じているあなたへ。
最近、XやSNSでは
「子どもの言葉がなかなか増えない」
「就園・就学前のコミュニケーションが心配」
「遊びの中でどう言葉を引き出せばいい?」
という声を、とても多く見かけます。
2026年現在、子どもの発達支援では「三項関係(私・あなた・もの)」を大切にした遊びを通じた関わりが注目されています。
新年度の環境変化で言葉や心の揺らぎを感じる親御さんも増え、「出会った先生や支援者とのつながり」が子どもの成長を後押しするという話が共感を集めています。
そんな中、ふと「自分の関わりは、この子に届いているかな…」と考える瞬間があるかもしれません。
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この記事では、忘れられない「ことば」の力について、できるだけやさしく、シンプルに説明していきます。まずは、訪問言語療育の実際のエピソードからです。
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電車好きのお子さんとの1年間
ある年長さんのお子さんと、1年間の訪問支援をしました。
最初はプラレールで一人遊びが中心でした。
「私」と「おもちゃ」の2点関係で、相手を交えた遊びがなかなか難しかったんです。
そこで、
• まずは隣で一緒に観察する
• 少しずつおもちゃを共有する
• ストローと紐で電車を長く繋げる遊び
を繰り返しました。
「お店屋さんごっこ」を取り入れて「赤いこまちください」と言葉を引き出したり、「どうぞ」「ありがとう」のやり取りを練習したり。
最初はオウム返しのような言葉だったのが、
だんだん「さとうさん、みてみて!」「黄色い魚だよー」
と、自分が見ている世界を相手に共有しようとする姿が見えるようになりました。
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忘れられない「ことば」
1年間の最終日、お母さんから届いたメールに、こんな言葉がありました。
「今まで本当にお世話になりました。さとうさんに出会えてよかったです」
この一文を読んだ瞬間、胸が熱くなりました。
ことばの支援は目に見える成果が出にくいことも多いです。
でも、このお子さんは名前を呼んで追いかけっこに誘ったり、自分から「みてみて!」と言ったりするまでに成長しました。
関わりを通じて、少しずつ「あなた」と遊べるようになっていったんです。
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言葉はつながりを生む
言語聴覚士として関わる中で、言葉はただ「話す」だけではなく、
「相手の世界を共有したい」という気持ちを届けるツールだと改めて感じます。
遊びの中で「どうぞ」「ありがとう」を繰り返す。
相手の名前を呼ぶ。
「みてみて!」と言う。
こうした小さな積み重ねが、子どもと周りの人の心をつないでいきます。
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あなたが今関わっている子どもの成長は、きっと目に見えないところでも確実に進んでいます。
結果がすぐに見えなくても、毎日少しずつ関わっている時間は、決して無駄ではありません。
その子にとって、あなたの存在が「出会えてよかった」と思えるものになる日が、きっと来ます。
焦らず、優しい気持ちで寄り添い続けていきましょう。
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今回のポイントをまとめると、
・言葉は「私・あなた・もの」をつなぐ三項関係を育てる
・遊びの中で「どうぞ」「ありがとう」「みてみて」などのやり取りを繰り返すことが大事
・関わった人の「出会えてよかったです」という言葉は、大きな励みになる
この3つです。
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ここまで読んでいただき、ありがとうございます。少しでも『これならわかるかも』と思っていただけたらうれしいです。
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記事を拝読し、とても胸が熱くなりました。
プラレールの一人遊びから始まり、「どうぞ」「ありがとう」のやり取りを経て、自分から「さとうさん、みてみて!」と世界を共有しようとしてくれるまでのプロセス。その1年間の積み重ねは、どんなテクノロジーやシステムにも代替できない、人間同士の温かい関係構築そのものですね。
ご家族の「さとうさんに出会えてよかった」という言葉は、その丁寧な寄り添いに対する最高の勲章だと感じます。素敵な気づきをいただける記事をありがとうございます。